そのキスで教えてほしい
「私、ホラーは苦手なので嫌です。ラブストーリーは……」

意識してしまう心を必死で落ち着かせようとしたのに、『ラブストーリー』という言葉が恥ずかしくなってしまい、私は言葉の途中で俯いてしまった。

そんな私を崎坂さんはクスクス笑う。

「ラブストーリーにするか?」

「……いいえ。アクション系にしましょう」

からかい染みた崎坂さんの声色に、羞恥の限界を超えた私は顔を背けてそう言った。

次の上映時間は三時過ぎで、一時間半ほど時間があるので、下の階にある飲食店で食事をすることにした。

落ち着いた雰囲気のダイニングレストランに入り、お互いデミグラスソースのかかったオムライスを注文。

とても美味しそうで、運ばれてきたオムライスをじっと見つめながら頬が緩みそうになっていた。

そしていただきます、とスプーンで一口。

「わぁ、美味しい!」

想像以上の美味しさで、思わず瞳を輝かせながら崎坂さんを見て言ってしまった。
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