そのキスで教えてほしい
隣に崎坂さんがいて最初は意識して気になってしまったけれど、上映が始まると大きなスクリーンの映像や音の迫力で映画に集中することができた。

「はぁー……。これ、続編とかありますかね?」

映画を見終わってホールから出ると、私は隣を歩く崎坂さんに期待いっぱいの瞳を向けてそう訊いた。

「どうだろうな。続編というよりスピンオフで他の登場人物を主にした話とかでそう」

「あ、それでもいいかも」

笑みを浮かべながら頷くと、崎坂さんが頬を緩めながら私を見ているのに気づいた。

そして、自分がかなり浮き浮きとしながら崎坂さんと話をしていたことに気づき、急に照れくさくなって私は視線をそらした。

私ったらまた……。
今日はおかしい。仕事以外のことをしているからだろうか。
自分の素がでてしまうというか。素直に美味しいとか、楽しいとか、面白いって感情が思いきりでてしまう。

私はそっと、崎坂さんを見る。
なんだろう。この胸をくすぐるものは――


「今日はオフの鈴沢がたくさん見れてよかったよ」

車に乗り込んでシートベルトを着けていると、崎坂さんが穏やかな声でそう言った。
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