思い出の悲しみ
「変なやつ」と」笑う隆二
なんか気にしてなさそうでよかった
もしかして体だけとかじゃないのかなとか思いながら私もキッチンへ行った
「ねぇ美弥。何か作ってよ」
「えぇ?」
いきなり健太が頼んできた
「なんかって言われてもオムライスくらいしか」
「いいねぇ!よろしく!」
と健太はリビングへ消えた
あんたは手伝わないのねとか思いながら支度をした
昔ママに教えてもらったオムライス
「いつかママになった時、何も作れないじゃ困るでしょ?」
といって料理を少し教わってた
ママのご飯が一番好き!と言ってた私も
そういえば喜ぶんじゃないかとか小さいながら思っていた
いつもいつも、周りの顔色ばかりうかがっていた
初めてパパに食べさせたとき
パパがいつもの優しい笑顔で美味しいと言ってて嬉しかったのは今でも覚えている
ふと見ると
朝ママが作ってくれたパンはもう死んだようだった