私の嘘を完成させて

南那ちゃんの手を握って
離さない彷徨。

南那ちゃんの呼吸は
いつの間にか落ち着いていて
彷徨に支えられる形で
眠っていた。

「ったく…いいか、お前ら。
今までの状況を南那が起きたら
絶対話すんじゃねぇぞ。」

「え?」

「南那は覚えてない。」

「覚えってないって…」

ベットに運ばれた南那ちゃんの
頭を撫でながらそう言う尚人さん。

「スイッチがあんだよ。
暗闇、雨、雷。
あんだけ暴れといて
起きたらコロッと忘れてて
あれ。何で傷だらけなの?って」

「なんだよ・・それ。」

「まぁ。そういう時は
普通に接してやる事が一番だな。」

「わけわかんねぇよ。糞兄貴。」

「南那ちゃんって…
何かあったんですか…?」

たぶん全員が気になっている疑問。
口から零れるように聞いてしまった。




< 82 / 402 >

この作品をシェア

pagetop