【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち
「同じなの?」
「同じだ」
当り前えでなく育った私にはその当り前が不可解だ。
「ねぇそれって私の方が菫より劣ってるってこと?」
「はぁ?」
隼は笑いながらソファーへ座るように私に言った。
「誰も結衣にそんな事は期待してねぇ」
「聞き捨てならない」
わざとそういう言い方をしているのがわかるので私も笑う。
隼が言うのは、私の当り前を菫に教えればいいという。
それは、ふとすると隼たちには気づかないところだというのだ。
「ふたつの世界を学ぶってことよね?」
「白と黒のな」
私と隼が話すことでその違いがわかれば夫婦で選択して菫に教える。
菫が覚えればそれが琉にも伝わっていくというわけだ。
「元、白の世界代表として頑張るね」
「結衣はいつまでも白いままだ。ずっとそのままでいて欲しいと思ってんだ」
「姐さんなのに?」
「結衣の親父さんとお袋さんとそれにお袋さんの代わりに育ててくれたばーさんが大事に育てた結衣の性格や感性だぞ。俺はそれを変えて欲しいとも変えたいとも思わねぇよ。ただ危険もあるから自覚は持ってほしいけどな」
隼の愛はとてつもなく大きい。
この大きな愛を知っているから私は恐れというものを忘れてしまうのかもしれない。