【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち


「結衣さん、すぐ戻るからね」


小川さんが私にかけた言葉が耳に届いた。




何となく顔があげられなくて下を向いてしまう。



「結衣、結衣」


「結衣さん、ありがとうな」



「ほんまに可愛い子やな。こんな五郎のために頑張りよってからに」



「わしは四郎の大事な五郎じゃけん。格上ばい」




「よっぽど嬉しいみてぇだな。嘘も方便ってしらねぇで」



大丈夫だと言っているかのようにみんなが言ってくれたけど出過ぎた真似をしたようで気が引けているのも事実だ。




「出過ぎた真似をしてすみません」



「悔しかったんやろ?結衣ちゃんは五郎が傷つけられて悔しかったんやろ?」


奥野さんに聞かれた。



「すごい悔しかったです。身体が傷ついてる五郎ちゃんに心を傷つける言葉を言ったんだもの」




「結衣さんがいなきゃ掴みかかってやしたよ」


「わしかてどつくぐらいの力は残っとったばい」


「そしたら事件になって加害者になっちゃう」


それを食い止めたんだから凄いぞってもう冷やかしのようにみんなに言われた。



心が傷ついた感じには見えないとか


わしが、ガラスのハートなのを知らないのかとか


さっきまでの雰囲気とはガラリと変わって賑やかになった。






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