籠のなかの小鳥は
珀斗は口にしたことを違える男ではなかった。

翌日には、珀斗の私邸から使いの者が文を持ってきたのだ。

開いてむさぼるように読み・・・たかったけれど、断念した。
すこし慣れてきたとはいえ、流麗な毛筆の草書を読むのは至難のわざだ。

かずらに “解読” してもらう。

内容を噛み砕いてつたえるかずらの声が、しだいにひそめられてゆく。
二人の顔がどんどん近づき、かづらの声はしまいに湿り気をおびる。

自分のまぶたがじんわり熱くなるのがわかる。哀しみではなく喜びに、瞳からあふれるものがある。


「・・・本当でしょうか、本当にできるのかしら、こんなことが。でも・・・」

あなたにもどれだけ負担をかけるか、と声を落とす小鳥に、かづらははっきりとかぶりを振る。


「心を細らせる姫様を見ていることしかできないほうが、辛うございます。白の宮様と赤の宮様をお信じあそばして、こちらのほうはわたくしにお任せくださいませ」
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