恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
「葵さんと、ずっと連絡が取れなくて辛かった時期があってね、その頃の都を支えたのが松田だった。

でも、都の心は常に葵さんにあって、松田はそれを承知のうえで、そばにいた。

佐伯ちゃん、二人の間には何もないわ。あるのは思い出だけよ」

力強い瞳で、そう言い切る三奈さん。

「そう思いたい。思いたいけど、さっきの都さんを見つめる大樹の表情が…っ」


ジワッ…

涙が出そうになるのを堪えた。


ジャリ…


「魔王…じゃなかった、王子さまの登場ね。じゃあね」
と三奈さんは、戻って行った。


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