才川夫妻の恋愛事情
才川くんは構わず言葉を続けた。
「あぁ、燃えるね。何回しても初めてを抱いてるみたいで癖になる」
「お、おぉ」
「…………才川くん?」
……信じられない!
結婚を公言しておいてそれは……ちっとも洒落になってない。絡んだ竹島くんのほうがちょっとヒいていた。いきすぎた演技に、隣の彼をキッと睨んで「冗談もいい加減に……」と真面目に怒ろうとした――が、抗議の途中で肩を抱かれ、ちゅっとこめかみにキスされる。
「……は」
「ほんとのことだよ」
「っ!」
竹島くんにも聴こえる声量で言う。ただ目前にあるその表情は、竹島くんには見えない。家で見せる意地の悪い笑い方は、私にしか見えない。
ほんとのこと、と、言われても……!
溺愛仕様に本音を混ぜられて、膝から崩れ落ちそうになるのを踏ん張って堪えた。才川くんはふっと笑うと会社での顔に戻って肩に頭を預けてくる。
「できたら片時も離さずそばに置いておきたいんだけど……仕方ないよなぁ」
「……え?」
「名残惜しいけど行くわ。着替えておいで」
「うん……?」