溺愛御曹司の罠  〜これがハニートラップというやつですか?〜
 昌磨は溜息をつき、携帯灰皿で煙草を消すと、
「まずいところを見られたな。
 まあ、見つかってしまったのなら仕方ない」
と言う。

 その言い方に、反射的に、……殺られるっ!
と身構えてしまったが、昌磨は顔を上げ、

「ちょっと来るか」
と言ってきた。

「はい?」

 昌磨は喫茶店に戻るのかと思ったら、その横にある階段を下りていこうとする。

 地下へと続いているようだった。

 階段の明かりもなんだか暗い。

 なんとなく進めないでいると、少し階段を下りた昌磨が振り向いて言った。

「来ないのか?」

「あ、……はい」
と言うと、唐突に、

「好きなんだろ? 俺のことが」
と言ってくる。

 なんだか本気にはしていない感じだった。

「はあ、手が」
と事態にまだついていけてないながらも、ぼんやりそう答えると、

「……まあいい、付き合え」
と言われた。
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