溺愛御曹司の罠  〜これがハニートラップというやつですか?〜
「拓海、コンパ、いい日を教えてね」

「ん? ああ。
 お前も来るんだろ」

「うん。
 あんたも来るのよって、香穂さんに言われちゃったから」

「やっぱり、凶悪じゃねえか、江波さん」

 違うよ、と花音は言った。

「拓海と二人だと緊張するみたいだよ。
 だって、最初は二人でデートとかの方がいいんじゃないですかって言ったら、それは無理って言ってたから。

 拓海の前で、凶悪だとするなら、それは緊張してるからだよ」
と笑ったが、拓海は笑わなかった。

「……花音」
と溜息をついて言う。

「え? なに?」
とまだ立ったままの拓海を見上げた。

「それ、俺、ピンポイントか。
 誰か適当に男を集めろって話じゃなくて」

「そうだよ」

 拓海は目の前にしゃがみ、いきなり、花音の鼻をつまんで、引っ張り上げようとした。

「いてててて……」

「もう帰れ、花音。
 お前のそのざっくりとした性格は嫌いじゃないが、忘れちゃいけないこともあるんじゃないのか?」
と言われる。

 手を離され、
「……ごめんなさい」
と花音は項垂れる。
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