主任は私を逃がさない
「史郎……西田主任、待ってください!」
「ん? どうした?」
階段の途中で振り返る史郎くんに、夢中で訴えた。
「私も同席させて下さい! いえ、同席します! 私から常務に、責任は全部私にあるって正直に言います!」
「それはだめだ」
「な、なんでですか!?」
「次長が問題にしているのは、お前の事務ミスじゃない。俺の上司への態度が不遜だという申し出だ。だからもうお前の出る幕はない」
「そ……!」
そんなヘリクツ言わないでよ!
今回の騒動は明らかに私が原因でしょ!? なのに当の私を抜きにして話したって埒が明かないじゃないの!
そんな『花いちもんめ』みたいな、本人不在の勝手な話し合いが後々の不幸を生むのよ!
「ちゃんと私に責任を取らせてください!」
「おい、勘違いするなよ。ペーペーの新人ごときがどう責任取るって言うんだ」
史郎くんの表情が引き締まる。綺麗な両目が逆らえない厳しさを持って、真っ直ぐ私を見下ろした。
「お前がすべき事は、今後同じミスを繰り返さないためには何をすればいいかを考えることだ。自分なりに対策を考えて俺に報告しろ。……飲み会が終わった後でな」
その言葉に私はパチパチと両目を瞬かせた。
飲み会が終わった後に? ってことは、つまり……。