主任は私を逃がさない
「中山さん、黙ってないで答えて下さいませんでしょうか?」
「…………」
「あなたのお声が全然聞こえませーん! もしもーし!」
すぐ目の前で身を縮ませている私に、次長は極端な大声を張り上げる。
周りの同僚や上司達は、ハラハラした顔でこの状況を見守っていた。
なにせ次長のこの性格だ。ヘタに横から口を挟めば余計に火に油を注ぐ結果になるのをよく知っているから、みんな黙って見ているよりほかない。
私も腹をくくって、これは謝り続けるしかないと覚悟した。
ミスをしたのは私。悪いのは私。なら迷惑をかけた相手の気が済むまで、とことん叱責を受ける責任がある。
「中山さん、この失態は誰の責任でしょうか? 答えて下さい」
「わ、私です」
「はいそうです。あなたの責任です。だから当然、あなたが何とかして下さるんですよね?」
「本当に……すみません」
「済まないのはもう分かりましたので、それよりも何とかして下さい」
「すみ、ません……」