七色の空
チャプター60
「夏のおわり」

林檎は朝から動きまわり、気付けば辺りは、オレンジ色に輝く時間帯になっていた。季節はまだ夏だが、わずかに日が短くなってきている。夏のおわりが近付いている。
林檎は福生と初めて会った時に立ち寄ったコインランドリーへ。洗濯物があったわけではない、ただ何となく脚を運んだだけである。コインランドリーのベンチに腰を下ろす。中には林檎一人だけ。誰かの洗濯物が乾燥機の中で回転している。まだ乾燥が終わるまで30分も残っている。時間になれば戻ってくるのだろう。
 電話が鳴る。携帯を見ると、
林檎「!?」
 着信が福生からになっている。慌てて電話に出ると、
?「林檎さんでらっしゃいますか?」
林檎「?」
 
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