七色の空

ﾁｬﾌﾟﾀｰ62
「寝顔」

東京から静岡まで、深夜の高速を休まず走る新也。と、助手席で仮眠中の林檎。新也(汗)。林檎は一日の疲れと、福生の居所が掴めた安心感でグッスリ熟睡している。普段はイビキをかかない林檎が、可愛いイビキをかいている。新也は時折眺めては微笑んで、眠気を紛らすのに丁度よかったようである。可愛い女性は何をやっても男の心を惹き付け、翻弄し和ませる。この世に、女優やアイドルなるものが存在するのは、そういうコトに起因する。AV女優も然り。もしこの世にAV女優や風俗嬢がいなかったら？
　考えられない。人間が酸素を必要とするように、そういった女性は必要だ、男にとっては。母親がいなくても構わないが、AV女優は欠かせない。そんなことを思いながらハンドルを握る新也であった。静岡は横に長い県である。新也の車は、静岡に入ったが、静岡に入ってからが、これまた長い。
林檎の話では実家は静岡の最西端、静岡の中で東京と最も離れた地域だそうだ。
新也は、林檎の寝顔を見つめ、もう暫くの間、眠らせておいてやることにする。