幼馴染みの期限

私も、私と広海が付き合っていると噂になった時に向井くんの事が気になっていた。


でも、声は掛けられなかった。「勝手に言わせとけ」と広海に言われるまま、付き合ってる噂を否定しなかった私も悪かったんだと思う。



ーー「だけど、噂も人目も気にしなければ、ちゃんと渡瀬に話をする事もできたはずなんだ。親に、学校に逆らえずに言うことを聞くしか無かった自分が情けなかったし、渡瀬に合わせる顔も無かった」



「自分は渡瀬に近づく勇気も無かったくせに、誰に何を言われても渡瀬の側にずっといて渡瀬を守っていた沖田を羨ましいと思ったし、嫉妬もした。簡単に心変わりをした渡瀬の事を恨んだりした事も……正直に言ったらあったと思う」



「ずっと……あの時の後悔が心に残ったまま大人になった。もう後悔はしたくないと思った。親に敷かれたレールの上には乗らないで、違う道を進んで……そしたら、偶然だけどこうしてまた渡瀬に会えた」



「だからね、10年前のやり直しをしても許されるって思ってしまったんだ」

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