幼馴染みの期限
力強く差し出されたその手を、私も同じくらい強い気持ちでギュッと握り返した。
10年前に、一度だけ手を繋いで帰った日の事を思い出す。
彼から躊躇いがちに差し出された手をそっと握って、それからは無言で私の家まで歩いて帰った。
誰かに見られたらと思うと、恥ずかしくてくすぐったくて。だけど、言葉にできないくらいにしあわせで。
隣には、視線が合いそうになると慌てて逸らして、顔を赤くする彼がいて。
そんな穏やかだけど、温かくてしあわせな日々がずっと続いていくのだと思っていた。
この、たった一度だけの触れあいがあまりにもしあわせな記憶だったから、再会してからあっさりと繋がれてしまったたその手に、違和感を感じて動揺しちゃったのかもしれないな……
もう、私がこの手にしあわせを感じる事は無い……そう思ったら、お互いにギュッと手を握り合って握手をしているこの光景が、何だか不思議なものに思えた。
私達が最後に交わしているこの握手って、一体何なんだろう。
幸福を分け合うものでも無く、お互いのぬくもりを分かち合う為のものでも、気持ちを確かめ合うものでも無い。
最後だからと、別れを惜しむ気持ちも……私には無かった。
ただ、『ありがとう』と言いたい気持ちだけはあった。
そうだ。これから私達は、別々の道を歩く。
感謝の気持ちと、これからの道にお互いにエールを送り合う。……そんな気持ちの握手。
固い握手を交わす私達に、街灯の柔らかな灯りが静かに降り注いでいる。
それは、これから別れる二人のそれぞれの道を照らす、スポットライトのようだった。
10年前に、一度だけ手を繋いで帰った日の事を思い出す。
彼から躊躇いがちに差し出された手をそっと握って、それからは無言で私の家まで歩いて帰った。
誰かに見られたらと思うと、恥ずかしくてくすぐったくて。だけど、言葉にできないくらいにしあわせで。
隣には、視線が合いそうになると慌てて逸らして、顔を赤くする彼がいて。
そんな穏やかだけど、温かくてしあわせな日々がずっと続いていくのだと思っていた。
この、たった一度だけの触れあいがあまりにもしあわせな記憶だったから、再会してからあっさりと繋がれてしまったたその手に、違和感を感じて動揺しちゃったのかもしれないな……
もう、私がこの手にしあわせを感じる事は無い……そう思ったら、お互いにギュッと手を握り合って握手をしているこの光景が、何だか不思議なものに思えた。
私達が最後に交わしているこの握手って、一体何なんだろう。
幸福を分け合うものでも無く、お互いのぬくもりを分かち合う為のものでも、気持ちを確かめ合うものでも無い。
最後だからと、別れを惜しむ気持ちも……私には無かった。
ただ、『ありがとう』と言いたい気持ちだけはあった。
そうだ。これから私達は、別々の道を歩く。
感謝の気持ちと、これからの道にお互いにエールを送り合う。……そんな気持ちの握手。
固い握手を交わす私達に、街灯の柔らかな灯りが静かに降り注いでいる。
それは、これから別れる二人のそれぞれの道を照らす、スポットライトのようだった。