幼馴染みの期限

***

「……いる」

我が家から道路を挟んだ向いが広海の家で、そして真正面に見える二階の窓が広海の部屋の窓だ。


そこに明かりが点いているのを確認して、ヨシッと小さく拳を握りしめると、私は自分の家には入らず、真っ直ぐに広海の家の玄関へと歩いて行った。


日中ならともかく、もう7時を回っているからさすがに鍵はかかってるかな……と思いながら玄関のドアノブに手を当てて引くと、さして抵抗も無くカラカラと開いた。


……いくら『樹里ちゃんだったら、いつ入ってもいいよー』と広海パパとママに言われてるとはいえ、かなり無防備だよね。訪ねて来るのは私だけとは限らないのに。


ほんと、沖田家、無用心すぎる。もしくは、人間を信用し過ぎ。ごく普通の一般家庭でもないくせに……


若干呆れつつも、それでもインターホンに指を置いて鳴らす事も無く、いつも通りに心の中で『お邪魔しまーす』と言って広海の部屋へと向かう。


一応コンコン、とドアをノックしてみたけど返事は無かった。


……無視?


……それとも、よく分かんないけど、"お取り込み中"?


そう思いながらドアノブに手を掛けて下に下ろすと、ここにも鍵は掛かってなくて、あっさりと開いてしまった。


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