幼馴染みの期限
今にも駆け出す勢いでベッドから降りようとした私の腕を、広海がぐっと掴んで引き戻す。


「わっ!」


その手の力強さに驚いて振り返ると、思ったよりも近くに広海の顔があって、ピシッと身体が固まった。


お互いに少しずつでも距離を詰めようとしたら、唇が触れ合ってしまうかもしれないくらいに近づいた距離。


胸が痛くて、苦しくて、息苦しい。



……そのままベッドの上で、見つめ合うこと数秒。



「…………離して。お願い」


やっとの思いで言葉を吐き出した。


「嫌だ」


だけど、やっぱり広海は離してくれない。


「腕が痛いの。逃げないから離して」


「嫌だ」


……逃げないって言ってるのに。まるで我が儘な子どもみたいだ。


いつも感情をめったに表に出さない広海が、珍しく必死な表情を見せて私を引き留めている。


訳が分からない。


「ねぇ……どうして、そんなに」


ーー 必死なの?


そう言おうとした私の言葉に被せるように、広海が口を開いた。



「だってお前、今俺がこの手を離したら……もう二度と俺の側に来ないだろ」




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