フテキな片想い


結婚パーティーは、郊外にあるレストランで行われた。


木々で囲まれた森の中にある洋館風の建物だ。


周りの自然に溶け込むように、白い壁に焦げ茶色の窓枠、同じく焦げ茶色の三角屋根のこじんまりとした一軒家だ。


本来なら、本格的な石焼ピザのお店らしく、屋根の上には石窯に通じる煙突が伸びている。


絵本に出て来そうな外観の店だ。晴美さんチョイスのアンティークの家具が、店内に映える。


店内ではクラシック音楽が流れ、パーティーの参加者がビュッフェスタイルのパーティーを楽しんでいる。


店の入り口に飾られた門松と、お飾りを見なければ、今日がまだ世間でいう正月だということを忘れてしまいそうだった。


「はい」


美雨が手にしていたグラスの一つを、俺に差し出した。「ありがと」とお礼を言って、受け取る。中身がシャンパンだったら、絵になるのかもしれないけれど、未成年なのでオレンジジュースだ。


「ママ、キレイだね」


美雨は隣に立つと、奥のテーブル席に座る晴美さんを、見てそう呟いた。


晴美さんはアイボリーのシンプルなデザインのウェディングドレスを着ていた。多少お腹のでっぱりが目立つものの、シンプルなドレスは晴美さんのスタイルの良さを強調していた。


隣でタキシードを無理矢理、着せられている感の出ているお兄と比べると、会場にいる女性の中で一番セクシーだと思う。


「二人ともすごく幸せそう」



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