閉じたまぶたの裏側で
應汰は私の手を引いて歩き出した。

私は獣に捕らえられた子ウサギみたいに大人しく、應汰に手を引かれて歩く。

ここに来て一気に酔いが回り始めた。


何がなんだか、わけがわからない。



気が付くと、私は見慣れぬ部屋のベッドの上にいた。

ここどこだ…?

隣では應汰が眠っている。

「え?」

まさか…いや、そのまさかなのか?

意味もなくキョロキョロと辺りを見回した。

ホテルとかではなさそうだ。

もしかして、ここ應汰の部屋なの?

私は慌てて自分の格好を確認する。

少々乱れてはいるものの、とりあえず服を着ている事にホッとした。

いや、しかし着たままって事も…。

私のバカ!!

なーんにも思い出せん!!

そっと布団をめくってみると、應汰は上半身裸だけど、下は履いている。

未遂…?

夕べはかなり酔ってたから、二人とも酔いが回って眠っちゃったとか?

そうだ、きっとそうに違いない。

應汰もきっと、酔って悪ふざけをしたんだ。

應汰が私を本気で襲っちゃおうなんて思っているわけがない。

……このまま黙って帰っちゃおうかな?

って言うか、外まだ暗いけど、今何時なの?

どこかに時計はないかと、辺りを見回した。

ベッドサイドの目覚まし時計はまだ2時半を回ったところだ。

夜中だよ…電車ないよ…。

その辺でタクシー拾って帰るか…?


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