閉じたまぶたの裏側で
しばらく腕組みをして考えた末、なんとなくバカらしくなって、もう一度ベッドに体を投げ出した。

ベッドのスプリングが弾んで、應汰がモソモソと体を動かした。

初めて見るけど…かわいい寝顔。

夕べ突然私の唇を塞いだ、形のいい唇。

ずっと隠してたけど、應汰は私の事が好きで、私を自分のものにしたいんだって。

酔ってたとは言え、應汰にキスされても、手を引かれてどこかへ連れて行かれても、私は抵抗しなかった。


よく考えてみたら、私が誰とどこで何をしようと、自由なんだよね?

勲に気を遣う必要なんてない。

子供じゃあるまいし、お酒の勢いで男友達の應汰と一夜の過ちがあっても、誰も咎めたりはしないはず。

勲だって七海としてる。

あちらは浮気相手ではなくて本妻だ。

むしろ私との関係の方が間違ってる。

いっそのこと、いい加減ここらで勲との関係を断ち切って、應汰の口車に乗ってみようか。

應汰の事を恋愛対象と思った事はなかったけれど、正直言うと、キスをされた時は少しドキドキして、これも有りかもと思った。

思えば長い間、勲以外の人にときめいた事も、もちろん体の関係もなかったけど、他の人に抱かれて、幸せって思えるのかな?

そればっかりは試してみないとわからない。

恋人同士の時ならまだしも、今は勲に抱かれたって、虚しさが募るだけだ。


今なら私、勲との不毛な関係から抜け出せる?




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