閉じたまぶたの裏側で
閉じたまぶたの向こうに、眩しい陽射しと視線を感じた。

どうやらあれから眠っていたようだ。

ゆっくりとまぶたを開くと、目の前には私の顔を覗き込む應汰の顔があった。

「……っ!!」

恥ずかしくて思わず両手で顔を覆った。

「……芙佳、おはよ。」

「お…おはよう…。」

顔を隠したままでそう言うと、應汰は私の手を握って引き剥がし、また顔を覗き込んだ。

「隠すなよ。」

「だ…だって…。」

夕べは酔っていたとは言え、あんな事があったんだから恥ずかしくて堪らない。

「ここは…。」

「俺の部屋。夕べ歩いてたら芙佳がホテルじゃやだって言ったから。」

「ええっ…?!」

私ったらそんな事を…?!

ってか、ホテルじゃなければ良かったのか?

「まぁ…部屋に着いてベッドにダイブしたと思ったらいきなり寝ちゃったんだけどな。」

「そうなの…?」

未遂どころか何もなかったんだ。

それがわかって少しホッとした。

「肩透かしもいいとこだよな。」

「ごめん…。」

應汰は私に詰め寄って顔を近付ける。

近いよ、近すぎるから!

「……で?」

「…で?って言われても…。」

「酔いも覚めたしそんな気ないってか?」

「……うん。」

「だろうな。じゃあ…。」

應汰は更に顔を近付けて私を追い詰めた。

「改めてその気にさせていい?」

「えぇっ…?!ちょっと…。」

「問答無用。大人しく食われろ。」

ベッドに押し倒され唇を塞がれた。

應汰の手が私の手を握りベッドに押し付ける。

夕べより優しくて甘いキスに、頭がクラクラする。


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