閉じたまぶたの裏側で
人の頭の中まで独占しようとするなんて。

ホントに自分勝手だ、勲は。

閉じたまぶたの裏で、勲が私を見つめている。

「……芙佳、目ぇ開けろ。」

「え…?」

ゆっくりとまぶたを開くと、應汰が私をじっと見つめていた。

「目ぇ閉じて他の男の事なんか考えてんな。今芙佳に触ってんのは俺だ。」

「ごめん…やっぱり私…。」

「結婚したいくらい芙佳が好きだって言ってる俺より、どんなに一緒にいても先のない男の方がいいのか?」

「……わかんないよ…。ちゃんと考える時間が欲しいの。應汰とはいい加減な気持ちでしたくない。」

應汰はため息をついて私から手を離した。

「俺はいい加減な気持ちなんかじゃないよ。芙佳が俺と結婚したいって言うなら、今すぐにだってできる。」

低い声でそう言ってシャツを羽織った應汰は、ベッドの上にうずくまっている私のそばに座り頬にキスをした。

「芙佳、先のないようなつまんねぇ男なんかやめて潔く俺の嫁になれ。そうすれば一生芙佳だけ愛してやる。」

「だから…いきなり過ぎるでしょ…。」

「本心だからしょうがないじゃん。言っとくけど、俺しつこいよ?芙佳がいいって言うまで食い下がるからな。」

「本気で言ってる…?」

「本気だから芙佳が俺の事好きになるまで、全部食うのは待ってやる。」

かなり肉食系俺様な気もするけど、無理やりしないとか、こういうところはいいやつ。



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