双姫 Ⅱ


私に突き飛ばされた
徠斗はソファーから落ちてしまった。


「痛ぇな!何すんだよッ!!」


『あ…ごめんなさい……。』


尻もちついて痛かったのか
怒らせてしまった。


でも、触られるの嫌だったんだもん…。


[朱音、どうしたんだ?
彼に何か不満でもあるのか??]


[不満と言いますか…その……。]


男嫌いなんて言い訳にしかならないよね。
仕事なんだから我慢しないと…。


でも、身体の震えが止まらない。


[すみません。
休憩を取らせてあげてもよろしいですか?]


[そうそう!初めての撮影だからねぇ♪]


『皆…。』


フランス語を当たり前のように話す皆が
私と徠斗の間に立った。


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