双姫 Ⅱ


[じゃあ、撮影を始めようか。]


ロイ氏の一言で我に返り、
咄嗟に後ろで見守る皆に視線を送った。

皆も心配そうな顔をしているが
仕事で来てるから何も言えない。


「行きましょうか。」


徠斗に急かされ、
私は戸惑いながらソファーに座った。


[じゃあ、少し抱き合ってみようか。]


『だ、抱き合う!!??』


いきなりぶっ飛んだ要求に
私はアタフタするが、


「こんな感じかな?」


徠斗はお構い無しに
私を抱き締めようと手を伸ばしてきた。


『やッ!無理ぃーーーー!!!!』


ドンッ!


触られるのが嫌で突き飛ばしてしまった。


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