双姫 Ⅱ


「それでどこに向かえば良いの?」


背中を擦りながら類が聞いてきた。


私が叩き過ぎたからだね(汗)


『えっと…。
このままこの道を真っ直ぐ行けば着くよ!』


「分かった。じゃあ、行こっか。
花を散らさないようにゆっくり行くね。」


『うん!』


バイクを発進させ、
街を抜けると広大な草原が現れた。

そこに蒼空のお墓がある。


『連れて来たよ。蒼空、紹介するね。』


サワサワと草花が風に揺られて、
空は雲一つも無い。

まるで、蒼空が喜んでいるかのよう。


『私の仲間の『双覇』だよ。』


花瓶にカサブランカを生け、手を合わせた。


< 96 / 448 >

この作品をシェア

pagetop