恋チョイス
「ひさしぶり。元気そうでよかったわ」
娘との再会に、ハハオヤは声をはずませた。
あたしは、無力感にひたされた。
「手紙で、かさねて知らせてあったでしょ。こちらの学園をいずれ退学するって」
ハハオヤのねっとりとからみつく口調で、学園長の部屋がよどみだす。
「リタちゃんにぴったりの予備校を見つけて、手続きもすませてあるの。親子ふたりで、大学検定試験合格をめざしましょうね。学歴ぐらいはちゃんとしておかないと、世間のみなさんに恥ずかしいでしょう? リタちゃんには、ママの母校の大学に進学してもらうつもりよ。先生方もすばらしいし、校風がね、ちょっと古風だけれど、リタちゃんに合ってるとおもうの。なにも心配いらないわ、ママにまかせて」
あたしは、備えることができなかった。
抜きうちでは、心を守る、復讐の憎しみをかきたてる時間はない。
底なしの気だるさにおそわれて、なにもかも、どうでもいい気分。