私は先輩の浮気相手 番外編。
窓から見える景色に、あたしはうっとりと見つめた。
「先輩って、やっぱりどこかの王子様に見えますよ」
「そうかなぁ?
でも王子様なんかじゃないよ、俺は」
にっこりと笑って見せた先輩は、確かにと納得する表情だった。
「ねぇ、かすみちゃん」
「はい?」
「俺ずっと聞きたかったんだけどさ。
君の幼馴染くんって、中学校で付き合いだしたんだっけ?」
「あー...そうでしたね」
懐かしむようにあたしは頷くと、先輩は
「どんな付き合いだったのか、知りたいんだよね。
俺、嫉妬深いから」
あたしはそんな先輩が可愛いと思いつつ、ゆっくりと思い出していった―。