wish

昇はその日から放課後、掃除をすることになった。

裏庭の草ひき、落ち葉集め、
その他たくさんの仕事を河合は昇に言い付けた。

今回が初めての罰則だが、
おそらくこんなには普通しないのだろうと昇は思った。

河合がなぜ昇のことを目の敵にしているのかは知らないが、
はっきり言って迷惑だ。

しかし、言い付けられた仕事をしないと、またけちをつけてくるだろう。

悪循環だな、と思いながら昇は黙々と仕事を続けた。

このくらいの仕事ならば、バイトに比べればなんてことない。

しかし、誰が河合に言ったのか。

そういえば、さっきの誠の視線は気になるものがあった。


もしかして誠が…?


そこで草を引き抜く手を休める。

だが考えても埒はあかない。

直接本人に聞くことにして、
今は与えられた仕事をさっさと終わらせてしまおうと、また手を動かした。



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