朱色の悪魔

「ただいま」

「おかえり?」

弟くん迎えるのも日常と化した。

ついでに帰ってきたらすぐにちゅってされる。むー。

今の生活に不満はそんなにないけど、家の中から出なくなっちゃったのは痛いなぁ。

バイトしようかな…。怒られるかな?でもせめて雀の涙のお金でもねぇ。家庭教師さんの支払いくらいは…。

頑張って探してみよう。うん、がんばる。

「朱音」

「っん…」

「今日はいいよな?」

「…ん」

でも、できる…のか?

弟くんにやだって言えるのは、最後の日から3日間。それ以上やだって言うとものすごく意地悪するようになるから余計に辛い。

腰痛いの治ってもまたすぐにそうなるから結構継続的に痛い。

もう、弟くんのせいでおばあちゃんになりそう。
< 144 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop