朱色の悪魔
「あーかーねー!!!」
洗面所を出たところで怒号が屋敷を駆け抜けてった。
朝からうるさいよ…。
それ以上うるさくならないように少し急いで食卓のある部屋に向かう。
何枚も同じ襖が並ぶ。
思いっきり開け放った襖の向こう側には誰もいない。
…また間違えた。
今開けた襖を閉めて、左隣の襖を開け放った。
「おせーよ」
「朱音また間違えただろ」
「おはよう、朱音。気分はどう?」
襖を開けた先には、5人の男の人たちがいる。
まともにおはよって言ってくれたのはそのうちの1人だったりする。
50代の厳ついおじさんと、32歳の父親そっくりな顔をした人と、29歳の知的な人と、20歳のおバカさんと、16歳のスポーツ少年。