奪うなら心を全部受け止めて


ふぅ。あぁあ…、こんなもんかな…。

棚のブルーライトを消す。小さいBarだ。
席数も少ない。一人でやる俺には合ってる。丁度いい。
有り難い事に親が残してくれた土地、家屋。
改築して始められた。
賃貸ならすぐ潰れてる、多分。呑気な経営者だな…。
ふぅ。人の人生なんて、何が山で谷なんだか…。気持ちの持ちようでも違うもんだな…。
佳織さんに出会えた事は俺に取って…なんなのか、どうなるのかな…。
片付けも終わったし、さて、と、風呂入って寝るか…。


…っと、…なんでだ……。もう、俺には、解らない。理解不能だ。金はフェイクのようなものだったのか。
二階への階段の上がり口。
見覚えのあるヒールが横たわっていた。
繊細なのか、大胆なのか…。
天然なのか、謀っているのか…。
俺は試されているのか?…。
どういうつもりなんだ。


脱いでたたんであるワンピースと上着。…纏められたストッキング。
ベッドがこんもりと膨らんでいた。

居るんだよな…一体、どういうつもりなのか。帰ったんじゃなかったのか。

俺を選択したのか。ただ帰りたくなかっただけなのか、一人の部屋に。
それとも、千景さんを避けただけの結果がこれか。


考えても解らない。
取り敢えずシャワーしてくるか…。

知らないぞ。黙って寝てるのは佳織さんなんだからな…。
俺の心を掻き乱してるって、…解ってんのかな。解っていても、いなくても、佳織さんに罪はないのか。俺とは思いが違うから。
…これは、俺の思いから来るざわつきだ。
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