奪うなら心を全部受け止めて
「なあ、千。混んでるのかな、更衣室。ちょっと遅くないか?佳織ちゃん達」
「ん〜。混んでるだろうし、女子は時間かかんじゃないか、割と」
「そうだよショウ。俺らみたいにパッと脱いでパッと履くだけじゃないからな、日焼け止め塗ったりしてんじゃないの?」
「ショウと西邑はさ、さっきのお姉さん達、気になってんだろ?あっちもチラチラ見てるし、行ってこいよ。
俺、佳織達の様子見て来るから」
「いいか?」
「ああ、早く行け。もう腰上げてんじゃないか」
「んじゃ、心置きなく、はしゃいで来ます。
行くぞ、西邑。いいか、俺はショートのお姉さんだからな」
「馬鹿、ショートのお姉さんは俺に最初に声かけて来たんだから、俺の事がタイプなんだよ」
「ちげーよ。俺と千にはカッコ良すぎて声かけらんなかったの。だから、無難なお前に声かけたんじゃないか」
「無難て何だよ」
「無難は無難だ。言葉の意味通りだ」
「はぁ?」
「……。ここでギャーギャー言ってないで行けば解るだろ。ほら、居なくなるぞ、早く行けよ、もう」
「ぅおー、勝負!」
砂浜とは思えないダッシュ力で、一目散に走って行った。
…軽い。あいつらのあのノリは何時まで許されるんだか。
本気には何時なるんだ。
「ねえ、君達二人で来てるの?可愛いじゃん、高校生?」
「俺らも二人なんだ。一緒に遊ばない?」