奪うなら心を全部受け止めて

え、そんな事。ヤキモチとか今まで具体的に言った事なかったのに。

「いつも報告してるし、駄目って言われた事ないし、...先輩は、...そんな、妬いたりしてませんから。大丈夫です」

妬いてないなんて、どうして解る?どう思うかは先輩の内面じゃないか。言葉と態度に現さなければ、佳織には解らない事だ。

先輩は作戦を始める時、ヤキモチは妬くと言っていたし。それが俺でなくても、自分以外の男と出掛けたりするんだから、男なら誰だって妬く。それが好きの証でもあるはず。
妬いても大人で居られるかどうか、それだけだ。
正直、俺に妬いてないと言われたら、何だか癪に障る。俺の事は一緒に居させても安全な男だと認識してる、そういう事だろ?
例え俺に良からぬ思いが目覚めていたとしても、行動には出ない、口に出さない、そんな風に考えて安心しているんだ。
カムフラージュの相手だと、強く認識させられているから。俺の役目は護る事だから。
だとしたら、俺は裏切ってることになる。

「じゃあ、行こう」

「うん」

このところ、佳織は変わってきていると思う。
それはいつも一緒に居る俺にも解る変化。最初にあった幼さみたいな印象が段々なくなってきた。
少し大人っぽくなってきた。
……言わずもがな...。先輩の影響だよな、きっと。高校生にしてみれば、大学生になった先輩は急に大人に見える。
その先輩と、大人っぽくなった人とつき合えば、幼さも消えて来るのは当たり前の事、か。
つきあい方がまず違ってくるだろうから。
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