すきだから
授業終了のチャイムが鳴る。
また休まらない休み時間が始まる、と私はまたため息をついた。


案の定鳴り終わってすぐに千歳はやってきた。

「なになに?自習だったの?うらやましー」

「ラッキーだったよ。そっちの授業はなんだったの?」

「数学。得意だから寝てたけど」

「なにそれー。自習と変わらないじゃん」


千歳と陽菜は楽しそうに会話を続けている。

そんな二人を見て、もやっとした頭で考えるのは、千歳は私なんかよりも陽菜といた方がいいんじゃないかって事。


陽菜は明るいし、綺麗だし。

そうだよ、陽菜と付き合った方が絵になるカップルだよ。
私といるより、陽菜と一緒になった方がいいじゃん。

きっと上手く行くって。
何も私じゃなくても。


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