すきだから
ミスはひとつだけ。
しかもちょっと気をつければ直せるような、ちょっとした凡ミスだった。

他の教科もいつもより点数が高くて、先生にも驚かれた。

「なんだ、やれば出来るじゃないか!」なんて言われて、物凄く喜ばれて。

褒められる事なんて早々ないから、どうしたらいいかわからないくらいだった。



「夢だと思うなら、頬つねってあげようか?」

「え、遠慮しとく。陽菜のつねり痛いもん」

やんわりと断って、私はまた答案用紙に目を落とした。

もうこんな点数取れないかもしんない。
これは家の家宝にしようっと。

まさか千歳から教えて貰っただけで、こんなに点数が取れるなんて。


魔法使い?神様?
いずれにせよ千歳には感謝しなくちゃ。


< 51 / 87 >

この作品をシェア

pagetop