すきだから
自信を持った方がいいと言われてから、私は自分を卑下する事を止めた。

自分にも少なからずいいところはあるのだと、そう思って過ごすように心掛けた。

そのお陰なのかどうかは分からないけど、少し心が軽くなったような気がする。

千歳と一緒にいる事も嫌じゃなくなったし、むしろ楽しくなったくらいだった。

自然と笑えるようになったし、ネガティブな考えもあまり出て来なくなった。



そう思えるようになったのも、千歳のお陰。

本当、千歳には感謝しても感謝しきれない。

「テスト勉強教えてくれたお礼に、何かするよ。何がいい?」

「お礼?そうだねぇ」

千歳はそう言うと、うーんと言いながら空を見上げて考え込む。

「じゃあ、クリスマスの日。その日一日俺と一緒にいてちょうだい?デートしよう」

「でっ!?デートっ!?」

「うん。お礼でしょ?あ、でも付き合ってないから、何にもしないよ?いーい?」

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