片道のRe:
「いーち、にー、さーん、しー」
「ごー、ろーく、しーち、はーち」


白みがかった朝空にこだまする、低く気怠い掛け声。
輪になる白黒の練習着。

野球部の朝練があり、テニス部の朝練がない、月曜と金曜。
静まり返った校舎2階のベランダから、その光景を眺めるのが私の日課となっていた。


「ホント、よく飽きないよねぇ」


私の隣で大あくびを漏らすモモ。
何だかんだ言いつつもこうして付き合ってくれるのだから、やはりいいヤツなのだ。


皆同じ野球帽を深く被っているし、顔も確認出来ないけれど、輪の中から頭ひとつ出た、背の高い後ろ姿はよく目立つ。

話し掛ける勇気などないけれど、こうして遠くから見ているだけで、私は幸せだった。

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