片道のRe:
私は先輩がシートに戻ってくる前に、着替えとアップに出た。
応援すらろくに出来ない私に、今の先輩に掛けてあげられる言葉など見つかる筈もない。
そして先輩と顔を合わせることのないまま、私のレースが始まった。
スタートラインの白線に立ち、天を仰いだ。
大きく息を吸えば、緊張は空に溶け出して、ほんの少しだけ体が軽くなる。
目を閉じれば、競技場の熱気は全て、自分の味方のようにも思えてくる。
――ふと、飛び交うエールの中に私の名前が聞こえた気がした。
そんな訳はないと言い聞かせつつも、音を辿って視線を右にずらす。
「野々山、ファイトー!!」
先輩が、私に向かって大きく手を降っている。
まさかの光景に度肝を抜かれ、慌てて視線を地に戻した。
折角抜けたはずの緊張は見事にぶり返し、ドッドッ、と既に全力疾走の後のような心拍数に見舞われる。
応援すらろくに出来ない私に、今の先輩に掛けてあげられる言葉など見つかる筈もない。
そして先輩と顔を合わせることのないまま、私のレースが始まった。
スタートラインの白線に立ち、天を仰いだ。
大きく息を吸えば、緊張は空に溶け出して、ほんの少しだけ体が軽くなる。
目を閉じれば、競技場の熱気は全て、自分の味方のようにも思えてくる。
――ふと、飛び交うエールの中に私の名前が聞こえた気がした。
そんな訳はないと言い聞かせつつも、音を辿って視線を右にずらす。
「野々山、ファイトー!!」
先輩が、私に向かって大きく手を降っている。
まさかの光景に度肝を抜かれ、慌てて視線を地に戻した。
折角抜けたはずの緊張は見事にぶり返し、ドッドッ、と既に全力疾走の後のような心拍数に見舞われる。