片道のRe:
私は慌てて体勢を正し、私と同じくたっぷり汗をかいた缶を受け取った。

一瞬触れた指先に、落ち着いたはず脈拍が再び乱れ始める。


「ま、お互い本命の部活は別にあるわけだし。それに冬には駅伝もあるし」


そう言って私の向かいにドカッと腰を下ろした先輩は、今日一番の眩しさで笑う。


「また次、がんばろーな!」


恥ずかしいのか、嬉しいのか。
悔しいのか、悲しいのか。

ツンと込み上がる熱を感じた私は、咄嗟に握り締めた缶のプルタブを見つめた。

目の前の青色が滲んでいく。
けれど泣くだなんて余計にカッコ悪いから、必死に唇を噛んだ。


あの時、もしもつまづいていなかったら、私は先輩にカッコイイ姿を見せられていたのだろうか。
先輩の分まで、後に繋げられていたのだろうか。

そんな風に考えるけれど、先輩と同じならまぁいっかなんて思ってしまう私は、やはりどうしようもなく、先輩のことが好きらしい。

< 24 / 73 >

この作品をシェア

pagetop