片道のRe:
「つーか。彼女いるって噂知らねーの?」


オグは「はぁー」と顔の前に大きな白いもやを作ったかと思うと、私の手から紙袋を奪う。

空になった手のひらが虚しくて、宙でぎゅっと握り締めた。


「……噂だもん」

「しかも相手は美人の須野先輩だろ。彼女いんのに迷惑だと思わねー?」

「だからっ! 噂だもん!」


いつも以上に憎まれ口を叩くオグを、キッと睨みつけた。

オグは冷たい目で私を見下ろし、再び大きなもやを吐き出すと、部室に向かって大股で歩き出した。


「あっ、中身崩れるから慎重に……」

「っせーな。渡しゃいーんだろ」


投げやりに言って、振り向きもしないオグの背中。

お礼を言いそびれたことに気付いたけれど、尖らせた口をそのままに見送った。

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