片道のRe:
「うん、大好きだったよ。タケト先輩のこと」

「あれ? ワカってタケトのこと『城崎先輩』って呼んでなかったっけ?」

「あ、うん。本当はね、私もリノみたいに『タケト』って呼んでみたかったんだ。だから時効になった今は、勝手にそう呼ばせてもらってる」


リノは「ふーん?」とニヤけた相槌をつくと、空になったパスタの皿をテーブルの端に寄せた。


「ところでさ、ワカ」

「ん?」

「その後のタケトの話って、聞いてる?」

「え? 何が?」


意図が読めずにきょとんとしていると、リノは不自然に視線を逸らす。

そして通りすがりの店員に空の皿を手渡すと、ふー、と小さく息をついた。


「そうだよね。ワカ、すぐ地元出ちゃったから知らないよね」


意味深に引っ張るので、私は手にしていたフォークを握ったまま、俯く瞳を見つめた。

リノは徐に視線を上げると、今度は私の目をしっかり見据えて、呟く。


「タケト、白血病になったの」

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