掌
【どした急にぃ〜?全然いーよ♪♪】
すぐ返事が返ってきて、あたしは電車を乗り換えた。
目的の駅に着いて改札口を出ると、生暖かな風が、たくさんの木々を揺らし、あたしの腫れた頬をくすぐった。
「久しぶりに来たな…。」
1年の頃は、週の半分は来てたから、今から向う場所への道はちゃんと頭に入ってる。
痛む体を引きずるようにして、歩きだした。
ピンポーン
ガチャ
「……っ?!」
玄関を開けた真奈美は真っ青な顔。
そりゃこんなお化けみたいな顔見りゃね……。
「ごめんねー急に泊まらしてなんてメールして。」
明るく言ったけど、笑うと顔中が痛い。
「全然いーって……とりあえず……入って?」
「おじゃましまーす♪」
明るく振る舞うあたしとは対照的に、真奈美は見てわかるほど動揺してる。
あたしのために、こんなに動揺してくれるなんて、嬉しいなぁ〜
なんて、のんきなあたし。
「ちょっと待っててね。」
真奈美が、《まなみのへや》と書かれたプレートの下がる扉の前にあたしを残して、部屋の中に入っていった。