掌
「え〜いいじゃん!歩ちゃん来たんだろ?三人でしゃべろーや。」
「ごめん!そのつもりだったけど…やっぱ帰って!」
健太君の声……。
そうか、あたしが達也の家に行った後、健太君も真奈美の家に遊びに来てたのか……
急に押し掛けて、悪い事しちゃったな……。
やっぱり帰ろうと思ったその時、真奈美の部屋の扉が開いた。
「うおっ!歩ちゃんどうしたその顔っ?!」
中から出てきた健太君は、目をまん丸にして、あたしにびっくりしてる。
「こけちゃってさぁ〜。」
明らかに嘘っぽいけど、達也と仲いい健太君には、なんか知られたくなかったんだ。
「こけたって………」
「はいはいはいっ!いいから!またね!」
色々つっこみたそうな健太君を、無理やり真奈美は、玄関の外に追いやった。
「真奈美ごめんね…邪魔して……。」
「何言ってんの!私こそごめん…健太いること伝えてなくて…。いてもいいかなって、思ってたから……」
確かに、1年の時はよく三人で語ったもんね。
でも、さすがにこんな顔じゃ、二人も普通のおしゃべりできないよね。
「真奈美の部屋久しぶりだぁ〜!」
キャラクターのグッズに溢れ、パステルカラーで統一された、女の子っぽい可愛い真奈美の部屋。
真奈美の匂いがいっぱいして、なんか落ち着く。
「はい、ちゃんと座って。」
真奈美は、消毒液やバンソウコウやアイスノンを持ってきて、あたしの全身の傷の手当てをしてくれた。