ロールキャベツは好きですか?
「……祥吾くん!?」
祈梨さんのマンションに着くと、ちょうど、彼女は仕事から帰ってくるところだった。
その肩を叩くと、彼女は驚いた顔で振り向いた。
「祈梨さん。お疲れさまです」
部下の俺は早めに帰らせて、今まで残業してたんだ。
その顔には疲労の色が濃く滲んでいる。
「……どうしてここに?っていうか、いつからいたの?」
「ちょっと話がしたくて……今来たところです」
さっきまでのパニックは、冷たい夜風に冷やされて、幾分冷静に戻っていた。
祈梨さんは何の話か想像ついたのだろう。微かに眉間にシワを寄せた。
「寒かったでしょう?とりあえず入って」
それでも、追い返すという無粋な真似はしない大人な祈梨さんは、俺の前を足早に歩き始める。