素直になれない7センチ



インスタントの珈琲の粉を目分量でマグカップに入れいく夏目くん。

タイミングよくお湯が沸いた電気ポットを持って、マグカップに注いでいく。

湯気にのって珈琲のほろ苦い香りが運ばれてくる。



……いつからブラックなんて飲むようになったんだろう。

前はカフェオレ大好きで苦い珈琲は苦手って言ってたのに。




「香穂さんもお湯いるよね?」

「……うん」

ラベンダーアールグレイのティーバックを入れているマグカップに夏目くんがお湯を注いでくれた。

珈琲とは違った柔らかくて優しい香りがふわりと漂う。



「ありがと」

「フレンチブルドッグのマグカップって……相変わらず可愛いね。香穂さん」

私のマグカップを見ながらクスクスと笑いだす夏目くん。



「じ、自分だって! 子猫じゃない!」

「うん。好きなんだ」


ドキリとした。

好きって言葉は私に向けてじゃないってわかっているのに、猫が好きだからって意味なのに。


なんで……私ドキってしてるの。





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