セカンドパートナー
「やっぱり、同い年と違って年上の人って甘えられるよね。そういうの、いいなぁ」
「付き合ったばかりの頃はそう思ったけど、そうでもないよ。たまに子供っぽいとこあるし、変に頑固っていうか。あたしが不満言うと軽くかわしてまともに相手にしてくれないから、それにまたイライラするの!」
うんうん、と、私達はうなずきあった。
「分かる分かる! こっちの話をちゃんと聞いてほしいよね。それだけで満足するんだからさ」
「そうそう! はぁ。やっぱり詩織と話してるのが一番落ち着くよ。こういう気持ちって女同士の方が分かり合えるよね」
「私も羽留と話してる方がスッキリする。優人ともこんな感じに分かり合えたらいいんだけどなぁ」
「男はそういうのが分からないんだと思う。うちらが不満言っても、めんどくさいな〜としか思ってなさそう」
「かもね。雰囲気とか口調でそういうのって伝わってくる!」
昔、会話のない両親を見て、だったら何で結婚したんだろうと不思議で仕方なかったけど、そうなる経緯がなんとなく想像できた。
両親へのわだかまりが消えたわけじゃないけど、今では母にかすかな同情を覚える。父だって、結婚したばかりの頃はあんな冷たい夫婦生活を望んだわけじゃないだろう。
もともとは他人の男と女。歩み寄ることを諦め途中で投げ出してしまえば、そこで心の交流は途絶えてしまう。それは、悲しいほどあっさりと。
今でも両親は仮面夫婦を続けている。
優人とはそんな風になりたくない。だけど、「もういらない!」と投げ出してしまいたくなることもたくさんある。