セカンドパートナー

 反応に困る私を見て、菱田君は悲しげに目を伏せた。

「やっぱり迷惑だった? ああいうの……」
「ううん、ポケベル持ってないから返せなかっただけ」
「それって、断る口実? 嫌ならもう話しかけないから正直に言って?」

 困った。悪い人ではないんだろうけど、しつこいタイプ? 強引というか……。人づてにメモを渡してくるような人だからもっとひかえめな人だと思ってた。

 答えに詰まっていると、背後から誰かに強く右腕を引かれ、ビクッとした。

 いきなり何!? 反発心混じりに腕を引いた人の方を見て、スッと気持ちが丸くなった。

「並河君…!? いたの?」
「こんなとこでしゃべってたら他の人の邪魔」
「ご、ごめん……」

 並河君らしくない、きつい口調。謝ったものの、涙が出そうになる。グッとこらえながら下駄箱から退き、私は菱田君とそろって並河君の誘導で廊下の隅に来た。

 いつもの並河君じゃない感じ……。なんか怒ってる? 胸がズキンと痛んだ。

 不安で黙り込む私の前で、並河君は菱田君に向けて親しげに話しかけた。

「菱田君久しぶりー! 中学卒業以来じゃない? 同じ高校だったんだな」
「今さら気付いたの? 俺は知ってたよ。並河有名だもん。この前も表彰されてたしさ。すごいじゃん」
「そう? ありがとー!」

 この二人、同じ中学だったんだ。すごい偶然にビックリしてしまう。

 でも、何だろう。並河君が不自然。人当たりがいいのはいつもと同じなんだけど、何て言うんだろ、菱田君に対してトゲがあるような。気のせい……?
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