セカンドパートナー

「詩織からそう言ってくれるの、待ってた」

 初めて見る並河君の満面の笑みに、私まで嬉しくなってしまう。並河君の全てが私を受け入れてくれている、そんな感じがした。

 電話なんて一家に一台あって当然、と、普段は感謝すらしないのに、この時ほど家電の存在をありがたく思ったことはなかった。

 初めて手に入れた感情は、もてあまし、扱いあぐね、秒刻みに大きくなってゆく。

 並河君はそこにいるだけで、私の中に生まれた新しい何かをどんどん膨らませていく。その笑顔で。優しい声で。時に勇ましい行動で。

「ごめんね、昨日はあんな言い方で断って」
「気にしないで。詩織にも家の都合とかあるよな」
「別にたいしたことないんだけどね」

 並河君は顔を覗き込んできた。

「またその顔。詩織って、ウソつく時、笑ってる」
「……!」
「なんてな。言ってみただけ」
「……初めて言われた」

 鋭い指摘に、胸が早く鳴る。羽留とは比べものにならないくらい、並河君は私の心の奥深くまで見透かしているみたい。
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